ヴァンパイア騎士
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「着きました」
運転手の言葉に我に返ると、目の前には大きな学園がそびえ立っていた。
目の前に差し出された一翁の手を借り車から降りる。
『…ここが学園…』
学校というものに行った事の無い私には全てが未知
一翁に入学の勧めを受けた時は不安よりも期待の方が大きかったのを覚えている。
「 …華蓮様、」
『大丈夫です、ありがとうございます』
理事長室までの案内を断り一翁と運転手に一礼してから学園の門をくぐって行った
のはいいものの―――
『…迷った…?』
迷子になりました。
『…どうしよう』
理事長との約束の時間は刻々と過ぎていき夜の闇が訪れている。
「あの…」
『?』
いきなり自分を呼び止める声がして振り向くと、そこには一人の女の子。
ーーーその子を見た瞬間、胸がざわついた
「?あの…」
『!あ、えっと…何、でしょうか』
「もしかして支葵華蓮さん、ですか?」
『?そうですが…』
返事を聞いて良かったぁ、と笑顔になる女の子。
突然の事に私の頭は?いっぱいなわけで
「時間になっても来ないので、心配になって探しに来たんです。私、学園の守護係りをしている黒主優姫です」
『守護係りさん…』
なるほど、彼女はわざわざ探しに来てくれたというのか。
『ありがとうございます』
「いえいえ!では行きますか」